シフトフィール WRX STI(VAB)
本日はWRX STIのクイックシフター取り付けです。
一般的にクイックシフターというと、ショートシフターと混同されることが多いです。
ショートシフターは文字通りシフトレバーが短くすることで、ギア間のストロークを短くし、早くシフトチェンジを行うためのものです。
欠点として、シフトが重くなります。シフトレバーはてこの原理となっていますので、短くするとシフトが重くなり、長くすると軽くなります。
また、シフトレバーの長さを変えなくても、シフトノブを重くすることでシフトを軽くすることもできます。
マツダの旧型ロードスターは重さを変えることができるシフトレバーも販売されていました。
今回ご紹介するクイックシフターはシフトレバーの長さを変える商品ではありません。
元々スバル車のシフトリンケージは非常に剛性が高く、使用しているパーツもメーカーのこだわりを感じるものです。
たぶん、国産車の中では抜きんでた品質と精度を持っていると思います。
そこに手を付ける商品ですから、そのこだわりは感心するものがあります。
純正のゴムブッシュは自己潤滑の優秀な部品。
これをベアリング入りに交換してゴムの変形による誤差を削り取っています。
これは、右側の画像の黒いジョイント部分だけではなく、左側の画像に小さく映っている2個のベアリングは、シフトレバー付け根に取り付けられます。
こんな小さな部品を変えるだけで何が変わるかと思われるかもしれません。
シフトを動かしたとき、レバーが動く→ゴムが変形→ゴムの反発で他のレバーを動かす。
こういった一連の伝達がゴムをなくすことで一気に動きます。そして、本来ゴムがないことで動きが渋くなるところをベアリングで動きをよくするのが狙いのようです。
理屈はともかく、そのシフトフィールは、ソリッド感が出てきます。
決して早くシフトできるわけではありません。しかし、遊びがなくなった分正確にシフトできるようになりました。
コキコキ、ガキガキといった感触ではなく、スムーズに、快適にシフトが行えます。
でも、取り付けはちょっとだけ大変です。
インプレッサGDの時代は、車をリフトアップしてから割と簡単に外すことができました。
このWRX STIに関しては、遮熱板やセンターパイプが邪魔をして取り外すスペースを確保することができません。
こんな形で周辺部品を外し、ミッションを下げて脱着スペースを確保する必要があります。
作業難易度としては高くありませんが、他の車両と比較すると少し時間はかかりますね。
でも、シフトフィールを大切に思う方には十分考慮する価値のある商品です。
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