グリス、グリースのお話し
昨日は「グリス」と書きましたが、正しくは「グリース」。
「r」がないと、つい「-」を抜きたくなりますが、英国英語も米国英語も発音は「グリース」でしたので、訂正させていただきます。
ちなみにラジエターは英語の発音では「ラジエーター」となります。
もっとも私がメカになりたての頃は、「ラヂエータ」といった看板もよく見ました。
本日は懐かしいグリスが入荷しました。
お分かりになりますでしょうか。
左がモリブデングリース、右がMPグリースと言います。
これにシャーシグリースがそろうと、我々自動車屋のグリースが揃い踏みとなります。
修理屋さんでは、今でもシャーシグリースとMPグリースをペール缶(20L)で使用しているところがあるようですが、今はそこまで準備する必要がなくなってきました。
皆さんがもし準備するのであれば、モリブデングリースとMPグリースで十分だと思います。
MPグリースの「MP」は、マルチパーパスです。つまり万能グリースとして使用されます。
ハブ等のベアリングに使用するのは主にこのグリースになります。
モリブデングリースはMPグリースの上をいく性能で、MPグリースでは受けきれない大きな衝撃や異物の混入等をモリブデンで対応させる性質を持っています。
現在では、ドライブシャフトのブーツ、ハブベアリング等もこちらに変わりつつあります。
ハイパワー車であれば、リスク回避の保険の意味も込めて、この高価なグリースを使用するのもよいかと思います。
また、最近の車両ではありませんが、グリース交換用のニップルが装着されている車両があります。
グリース交換は、「グリースガンでニップルから新しいグリースを入れてください。」とだけ表記されていることが多いのですが、それでは作業内容が分からない人がいます。
まずはグリースガン
この筒の中にグリースを満たし、レバーを動かすと先端部からグリースが出ます。
ニップルにグリースガンは固定できません。
作業としては、ニップルにグリースガンを押し付けます。
レバーを動かしてグリースを入れていきます。
新しいグリースが入っていくと、古いグリースが外のはみ出てきます。
新しいグリースがはみ出てきたら、内部のグリースが入れ替わった(交換した)と判断して作業は終了です。
古いグリースをふき取ってください。
これが一連の作業です。結構面白い作業なので、チャンスがあったらトライしてみてください。
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