STIブレンボブレーキキャリパーのオーバーホール BRZ
STIのブレンボ製フロントブレーキキャリパーのご紹介です。
車両はBRZです。特徴としては、スバルで唯一フロント側にキャリパーが取り付けられます。
約3万キロ走行し、サーキットも頻繁に走っている車両です。
ブレーキキャリパーのオーバーホールを依頼され、今回作業をしました。
オーバーホールをする場合の症状としては、走りが重い(ブレーキの引きずり)、戻りが悪い(ブレーキピストンの動きが不良)等があります。
ブレーキオイルの漏れは論外です。その場合は早急に修理が必要です。
どちら側か分かりますか?
答えは左側です。何故かというとエア抜き用のブリーダープラグが画像の右側に付いているからです。
ブリーダープラグは上向きにつきます。ブレーキフルードを補充する場合、エア抜きの作業をします。エアがブレーキパイプやホースに残っていると、ブレーキペダルを踏んでも、エアが収縮することでブレーキフルードに圧力がかからず、ブレーキが作動しなくなります。
ですから、ブレーキキャリーパーのオーバーホールをした時には、ブレーキライン内のエアを抜く作業を行います。
エアはブレーキフルードより軽いのでブリーダープラグを上側に配置する必要があります。
もし、プラグが下側にあった場合、フルードに押されたエアが逆戻りして、エア抜きが完全にできない状態になります。
キャリパーを交換する場合、必ず左右があります。この左右はブリーダーバルブが上下どちらに向くかで判断することができます。
時々キャリパーを交換したらエア抜きができないという問い合わせがあります。その際にはブリーダーバルブの取り付け向きを確認してください。
キャリパーの続きです。
この車両のキャリパーはシールがすでに寿命を迎えていました。(矢印)
この状態では、ピストンが正しく作動しません。
キャリパーのパーツとしては、ブレーキパッドを押し付けるピストン、ピストンとキャリパーの隙間を埋めるOリング、ゴミが隙間に入らないようにするダストブーツで構成されています。
オーバーホールキットとしては、通常、これらゴム類だけのキットとピストンを含むキットに分かれます。
今回はゴム類だけのキットで十分です。ピストンをチェックしましたが、傷一つ見つかりませんでした。
元通り組み込み、車両に取り付けてから、パッドやシム、スライドピンで取り付けて終了。
もちろん、パッドの状態の確認、シムやスライドピンの洗浄は行います。
そしてエア抜きですね。このブレーキはキャリパー1セットにつきブリーダープラグが2つ付いています。
しっかり両方からエア抜きを行って作業終了です。
これでまたサーキットを思いっきり走ることができます。頑張ってください。
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